患者に希望を持たせるべきか?
【話題になった論文】
Rosenberg, Abby et al. “Holding Hope for Patients With Serious Illness.” JAMA, 10.1001/jama.2021.14802. 16 Sep. 2021,
【内容】
・患者に希望を与えるのは悩ましい。非現実的な希望を抱いて意思決定を困難にしないか?という懸念がある一方で、患者の希望を奪うこと対する懸念もある。
・既存のデータでは、誤った希望を持っている患者は、希望を持っていない者よりも精神的に良い結果を報告している。実際には、患者の希望が、本当の意味での妄想や誤解であることは稀だとしている。
・希望は二項対立でも静的なものでもない。複雑かつ柔軟かつ多様な希望を持つことで、患者は、起こりそうもないことを信じると同時に、避けられないことを受け入れることができる。
その両方をサポートする(患者の希望の幅を認識し、多様化するのを助けることである)のが臨床家の役割である。
・臨床医がサポートするには、これから”起こることで、あなたは何を期待していますか?”(“Given what is coming, what are you hoping for?”)と尋ねれば良い。それを聞いて、さらに他には?とどんどん聞いていく。説得や異論を唱える必要なく尋ねるだけ。
【コメント】
・”患者さんに希望を持たせることは、練習して上達することができるスキルです”というのはそのとおりだと思う。”Hope for the best, Prepare for the worst”を実践しようとすれば、自ずと患者の希望を通して患者の価値観を理解する姿勢が求められる
・ICUでは患者の多くはコミュニケーションが取れず、予後が悪いために、代理意思決定者を通して患者の価値観を理解しようせざるを得ない。患者の希望と代理意思決定者の希望はニュアンスが異なる気がする。
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