2025年12月21日
2025年12月21日
診断することの難しさ ICUにおけるカンジダ感染の診断は、 真菌学的検査(無菌部位からの同定)+臨床症状(眼底病変または、臨床経過で感染が疑わしい中で説明不能の放射線検査所見)によってつけられる。 しかしながら、定義を満たして診断することについて独特な難しさがある。 事実、感染症症状出現〜診断して抗真菌薬開始までの中央値は最大8日と言われている。 診断が難しい原因は… 1.カンジダの血液培養陽性率が低い → 侵襲性カンジダ症はカンジダ血症+深在性カンジダ症の2つに分かれる。深在性カンジダ症は血液培養陽性とならないため、全体として侵襲性カンジダ症の血液培養陽性率は〜50…
ICUでのVRE対応
2023年12月3日
2023年12月3日
【VREとは】 腸球菌の中で重要な菌株は2種類、 E. faecalisとE. faeciumである。 E. faecalisによる菌血症は、E. faeciumによる菌血症よりも心内膜炎を伴う可能性が高い。 一方、E. faeciumは遭遇すると慌てる、重要な菌株である。 その問題は2つ、バンコマイシンに対する耐性と抗生物質耐性遺伝子を伝播することである。 腸球菌が如何に弱毒菌といっても、透析を始めとする免疫不全患者では脅威であるし、抗生物質耐性遺伝子が伝播するとバンコマイシンという切り札を失いかねない。 【 臨床研究でどのような対策をして、その結果は? 】 一般的な…
抗生剤に関する8つの迷信
2023年8月6日
2023年8月13日
【8つの迷信】 1.セファゾリンは中枢神経系(CNS)感染症には避けるべきである。 実際:セファゾリンも髄液に移行する。過去の研究では、投与後の髄液血中濃度は、Clinical Laboratory and Standards Institute(CLSI)の黄色ブドウ球菌および腸内細菌に対するブレイクポイントである2mg/L以下よりも高かった。とあるレビューでは2g q6hrに増量して投与することが推奨されている。 2.選択的セロトニン再取り込み療法を受けている患者では、リネゾリドは避けるべきである。 実際:リネゾリドは、中枢神経系でセロトニンを分解する酵…
ICUでの抗生剤適正使用
2023年7月23日
2023年7月23日
【ICUでの抗菌薬適正使用】 抗生剤はなぜ適正に使用されるべきか? 答えは、抗菌薬耐性の誘発と選択を最小限に抑えて”抗菌薬の有効性を維持すること”である。 死亡率を減らさず、抗生剤使用量を抑えるためにICUで覚えておくことは3つ 1.敗血症性ショック患者を除いてすぐ抗生物質を処方することを控える(Watchiful waiting戦略) →敗血症性ショックになっていなければ、即座の抗生剤投与(過去の研究では90分遅れる)しても予後は変えなかった。得た時間で、診察や画像検査を通じて本当に感染かアセスメントする、培養検体を採取する、多剤耐性菌が関与しているか背景を確…
集中治療医が”Distributive”と発言する意図について
2022年7月10日
2022年7月10日
【内容】 ・Distributive shockでは、 血管抵抗の異常な低下により、有効循環に寄与しないUnstressed Volumeとして静脈系にプールされる他、 機能的シャントや微小血管障害による組織の低酸素が発生している(1) ・集中治療医は、このような異常な血液分布によって発生している、ミクロの事象(例えば乳酸値の上昇)やマクロの事象(例えば網状皮疹がある、尿が少ない、意識が低下しているなど)を総じて”Distributive”であると発言している ・そもそも、Distributive shockを含むショック分類が提唱されたのは1971年。当時は7…
鼻腔MRSAの除菌
2022年4月10日
2023年5月13日
【話題にしようと思う論文】 Humphreys H. Can we do better in controlling and preventing methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) in the intensive care unit (ICU)?. Eur J Clin Microbiol Infect Dis . 2008;27(6):409-413. 【内容】 個室隔離:観察研究では有用そう。RCTない。 ムピロシン塗布:全ての患者にルーチンでの塗布は推奨されない。MRSAを予防でき…
COVID-19関連侵襲性肺アスペルギルス症(CAPA)
2021年10月7日
2021年10月7日
【話題になった論文】 Koehler, Philipp et al. “Defining and managing COVID-19-associated pulmonary aspergillosis: the 2020 ECMM/ISHAM consensus criteria for research and clinical guidance.” The Lancet. Infectious diseases vol. 21,6 (2021): e149-e162. 【内容】 ・COVID19関連肺アスペルギルス症=CAPA(COVID-19-ass…
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