2024年2月25日
2024年2月25日
大豆/卵アレルギーがある患者を対象にした日本の後ろ向き研究。
プロポフォールを投与された群 vs されなかった群で、相対リスクは1.14(95%信頼区間 0.10-12.4, p = 0.74)
なお、アレルギー出現の有無は麻酔記録または術後ノートに具体的なアレルギー徴候の疑いが記載されていること、手術中または術後に抗ヒスタミン薬/コルチコステロイド/エピネフリンが投与されていること、前処置として抗ヒスタミン剤や副腎皮質ステロイド投与されていること
米国救急医学会 2018:
唯一の真の禁忌はプロポフォールアレルギーである。プロポフォールは、大豆または卵アレルギーの患者にも安全である。アレルギーのある患者に使用しても安全である。
日本集中治療学会 2014:
記載なし(”プロポフォールは,卵レシチンと大豆油を含んだ 10%乳化剤に溶解しているため,卵や大豆アレルギー がある患者はアレルギー反応を起こす危険性があ る”の一文のみ)
日本麻酔科学会 2017:
禁忌 本薬または本薬の成分(ダイズ油,卵黄レシチンなど)に対し過敏症の既往歴のある患者
・プロポフォールによるアナフィラキシーは6万件に1件の様。論文のディスカッションにも記載あるが、”プロポフォールには大豆油と卵黄レシチンが含まれている。卵黄レシチンは主要な卵アレルゲンではなく、これに対するアレルギー反応はまれであると考えられている。大豆については、プロポフォールは大豆油を含むが、アレルギーの原因となる大豆由来のタンパク質は除去されている”。薬剤添付文章にも、大豆アレルギーや卵アレルギーは禁忌とはされていない。
・ICUにおいては非常に重要な薬剤であるため、卵アレルギーや大豆アレルギーを気にせず使えることは重要である。卵大豆アレルギーがあるから、といってわざわざリスクを説明したことは無い(卵や大豆アレルギーに関する詳細は聞くけれども)。プロポフォールの成分に対するアレルギーはどうやって特異的に確認すればいいのだろう?
Iwakiri M, Inoue R, Uchida K. Allergic reactions to propofol in adult patients with egg or soybean allergy: a retrospective cohort study from a large database of a single institute. JA Clin Rep. 2023;9(1):1.
Miller KA, Andolfatto G, Miner JR, Burton JH, Krauss BS. Clinical Practice Guideline for Emergency Department Procedural Sedation With Propofol: 2018 Update. Ann Emerg Med. 2019;73(5):470-480.
日集中医誌 2014;21:539-579
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