2026年1月4日
2026年1月4日
加圧抜管/吸引抜管の効果 加圧抜管には以下のような効果があるとされる: ・下気道と上気道の圧較差を作ることで、喀痰が下気道へ垂れ込むのを間接的に予防する ・無気肺を予防することで、酸素化を維持できる 吸引抜管は、挿管の逆手順と考えるとわかりやすい: ・口腔内容物の気道への垂れ込みを直接吸引することで、予防する。 世界的には85%くらいが気管内吸引を行っているらしい。 最近のRCT@加圧抜管 加圧抜管と吸引抜管のシステマティックレビューによれば、”加圧抜管のほうが合併症リスクが低い傾向にあった”とされるものの、そもそもあまり質の高い研究がない(Respir Care 2…
ICPとPEEPの関係;スターリン抵抗機
2024年10月6日
2024年10月6日
【PEEPでICPは上昇するのか?】 A.上昇する。 ただし、臨床的な影響は軽微と考えられる。PEEP10(〜15)cmH2Oまでは肺保護換気を優先しつつ、 気にせず使用してよい。 PEEPは胸腔内圧を上げるため、静脈還流減少が起こる。 一方で、PEEPにより肺がリクルートメントされれば換気効率が改善し、PaCO2を下げることで脳血管の拡張を防ぐことができるかもしれない 。 前者は、 脳からの血液灌流を減らすために脳浮腫が悪化するのでは?という懸念を引き起こす。しかし、( 理論上は)スターリンの抵抗機という概念により、ある程度のPEEPでも静脈還流量は低下しない。 【スタ…
SIMVの活用法を本気で考える
2024年7月28日
2024年7月28日
人生で初めて、”WeaningのためにSIMVにしといたから”と言われた。 SIMVの出番はICUにおいて無いと思っていたが、それが思い込みなのでは?と思い直して本気で活用法を考えてみる。 【いつつかう?】 1.何かしらの理由で気管切開され長年SIMVを使用している患者がICUに入室した 特にSIMVで横隔膜廃用が進んでおり、実質離脱も難しい状態である場合。 これが最もわかりやすく、ICUで遭遇しうる局面。 出口戦略を見越して、元々の施設なり自宅なりが困らないように配慮しておく、という意図がある。 2.急性期を脱した後、 集中治療医がいない環境 で人工呼吸器を使用せざる…
食道内圧を用いたエラスタンス法
2024年6月16日
2024年6月16日
【経肺圧の簡単な説明】 肺の壁にかかる圧を経肺圧という これは、肺の内側と外側の圧較差である。 排便時に息を目一杯吸い込んでクソほどいきんでも肺が破けないのは、胸壁が肺を外側から抑えてくれるので肺にかかる実質の圧が低いからなのだ。 内側は肺胞内圧であり、外側は胸腔内圧である。 胸腔内圧はドレーンでも入れないと測定できないが、食道が胸腔にあることを利用して、代用できるのである。つまり食道内圧≒胸腔内圧と考える。 ここまでを式にすると、 経肺圧=肺胞内圧-食道内圧 人間は吸気と呼気があるわけだから、人工呼吸器を使用している患者では 吸気時経肺圧=プラトー圧-吸気時食道内圧 呼…
SAH後の抜管
2023年12月10日
2023年12月10日
【神経集中治療での抜管基準】 神経集中治療領域の古典は、上記表であろう。 この表は、研究では急性脳障害で挿管された患者を対象にした前向き観察研究で作成された。 (この表の出典は不明で、妥当だと皆が考えられるプラクティスを素にしていると推察) 予定手術、中毒、原因不明の代謝性昏睡は除外された。 上記表の項目をチェックして、全ての項目を満たせば患者は抜管された。 結果、対象となったのは136名(内訳は頭部外傷が78名、クモ膜下出血が26名)。 入院時の昏睡、急性脳障害の診断、肺炎、年齢をコントロールしたロジスティック回帰モデルでは、死亡と抜管の遅れとの関連は残っていたが…
肥満の経皮的気管切開術
2023年8月20日
2023年8月20日
【肥満の経皮的気管切開は安全なのか?】 A. 病的肥満( BMI ≧ 40 )でなければ安全。 ・肥満度が高くなると、前頸部の脂肪組織が増加するため、手術手技の難易度が増すだけでなく、気管切開チューブとストーマの間にサイズの不一致が生じる危険性がある( 1 )。 ・ BMI ≧ 35 後ろ向き研究では( n=143 )、経皮的気管切開も外科的気管切開も合併症発生率は変わらなかった( 2 )。 ・また、平均 BMI64 の超肥満患者 31 名を含む後ろ向き研究では、超肥満患者全体的な大小あわせて合併症率は 19%(6 人 ) で、事故抜去は 3% ( 1 人)に発生した( 3 )。 BMI ≧ 50 を越えた群では、 30 〜 5…
COPDと喘息、それぞれの鑑別診断
2023年5月21日
2023年5月21日
よくある光景が、 ・独居高齢者(あるいは挿管されている)などの理由で詳細な病歴がほぼ分からない ・他院で経緯不明の気管支拡張薬が処方されている ・喘息やCOPDの急性増悪が、心不全急性増悪と紛らわしい というケースである。 鑑別をつけるのが難しい。 【COPD急性増悪の鑑別】 ・COPD急性増悪で入院した患者の1年後死亡率は25%、5年死亡率は65%であり、死因は呼吸器系まはた心疾患系の合併症である。診断は、暴露などの病歴+スパイロメトリーで不完全な可逆性の閉塞性障害、つまり気管支拡張薬使用後もFEV1/FVC<70%が残存があることで診断する。 ・COPD患…
よりよいPEEPの決め方
2023年2月12日
2023年2月12日
前提: 1.PEEPは「酸素化の改善」と「肺保護」のために存在する 2.最適なPEEP(Best PEEP)は存在しない、あるのはより良いPEEP(Better PEEP)である 【内容】 Step1 挿管直後はガティノニ法かARDS net(Lower PEEP)に従う ガティノニ法:PF比で決める。PF300→PEEP5〜10、PF200→10〜15、PF100以下→15〜20 ARDS net(Lower PEEP): ガティノニ法がおすすめ※。 理由は、ARDS netのプロトコルだとFiO2 1.0時にPEEP24が過剰である恐れがあるため。 ※ガティノニ法は…
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