集中治療の勉強・雑感ブログ。ICU回診でネタになったこと、ネタにすることを中心に。コメントは組織の意見ではなく、自分の壁打ち用。

経鼻十二指腸チューブを盲目的に挿入する方法

2025年11月23日  2025年11月23日 
経鼻十二指腸チューブについて ICUにおける適応は、胃の蠕動運動傷害があり、頻回嘔吐を起こす場合である。 メリット:誤嚥リスク減少、栄養投与できない患者では栄養投与量増加、 デメリット:ダンピング症候群を起こすため栄養のボーラス投与はできない、留置の手間がかかる、下痢や腹部膨満が増える、胃内逆流が完全に制御できるわけではない 盲目的挿入方法 そもそも盲目的に挿入してよいのか? 日本集中治療学会のガイドラインでは盲目的な留意に関して、”各施設で日常的に使用されている方法を実施することが推奨される”ということで、特に禁止とはしていない。 世界的には、看護師が盲目的に挿入…

Critical illness-induced cholestasis

2024年11月17日  2024年11月19日 
【話題になった論文】 Jenniskens M, Langouche L, Van den Berghe G. Cholestatic Alterations in the Critically Ill: Some New Light on an Old Problem.  Chest . 2018;153(3):733-743.  【内容】 ・重症患者の採血で肝機能検査が悪化している場合… 低酸素性の肝炎→早期にAST/ALTが上昇、正常上限の20倍程度まで上昇する 重症病態によってビリルビンの排泄障害→炎症による細胞の変化により数日後〜に総ビリルビンが2-3mg…

膵頭十二指腸切除後のピペラシリン・タゾバクタム

2024年8月25日  2024年8月25日 
PD術後にICU入室することがある。 PDそのものは周術期死亡率が1〜3%、合併症発生率も40%前後と大侵襲手術だからである。 【一般的な膵頭十二指腸切除後の合併症】 SSI: 発生率は10%前後。 深部SSIはIVRによる経皮ドレナージまたは手術による洗浄を要する。 腸管細菌を胆汁に移行させていまうため、術前の胆管カニュレーションがリスクとなる。 創傷保護剤の他、ステント留置患者では第二/第三世代セファロスポリンとメトロニダゾールを併用も検討する(後述) 胃排泄遅延: 発生率は2〜30%。 胃排泄遅延が起こる理由は、十二指腸を切除するために胃の排出を促進するモチリンが分…

食道がん術後のERAS

2024年8月11日  2024年8月11日 
ERASとはEnhanced Recovery After Surgeryの略。 心臓外科ERASとくれば、次は食道術後ERAS。 件数が多い施設においても30日死亡率2.4%(件数が多くない施設だと5%〜)という報告もあり大侵襲手術である。 【食道術後の合併症について】 吻合部リーク 最も多い合併症。食道の血液は分節性分布で、胃側吻合部も右胃大網動脈に依存しており、吻合部の結構支配系統が異なる。よって血流不足からの吻合部壊死、リークの発生率が高い。 リーク後の症状は軽微でせん妄程度となることもあるため、検索閾値は低くしておく必要がある。 食道造影でリークが限局し…

アルコール性肝炎へのステロイド投与

2023年12月24日  2023年12月24日 
【アルコール性肝炎について】 アルコールを飲むと肝臓に以下のような変化がおこる: アルコールを飲む→アルコールが脂肪酸のβ酸化をダウンレギューレションした結果トリグリセリドが肝細胞に沈着→脂肪肝形成→アルコール性肝炎→炎症持続による肝臓線維化→肝硬変 病像は、 ”アルコール利用障害患者が新規(最終飲酒から8週間以内)に黄疸を呈する” である。その詳細な診断基準は以下の通り: ・黄疸発症から8週間以内の最後の飲酒 ・血清ビリルビン値が3mg/dL以上 ・ASTおよびアラニンアミノトランスフェラーゼ値が400IU/L未満 ・AST値が50IU/mL以上 ・ASTとアラニンアミ…

ACLF(Acute-on-Chronic Liver Failure)のICU管理

2023年2月26日  2023年2月26日 
【ACLFの診断】 各学会で定義が微妙に異なるが、以下3つを満たせば診断としてよさそう。 1.慢性肝疾患がある(肝硬変に至っているかを問わない) 2.採血でPT-INR延長+総ビリルビン上昇 3.臨床像として臓器障害がある これらスコアが高い患者では、短期的死亡が予測される。 後ろ向き研究によれば、48時間の集中治療にもかかわらず、CLIF-CACLFスコア≧70では集中治療を続けることは無益である可能性が示唆されている。 【By system memo】 神経: ・抜管までの時間を短縮するために、他の使用可能な薬剤と比較して、デクスメデトミジンの使用を提案する ・最適な…

オピオイドはOddi括約筋を収縮させる

2021年10月10日  2021年10月10日 
【話題になった論文】 Sherman, S, and G A Lehman. “Opioids and the sphincter of Oddi.”  Gastrointestinal endoscopy  vol. 40,1 (1994): 105-6.  【内容】 ・II型/Ⅲ型オッディ括約筋機能不全患者を対象に、オッディ括約筋運動機能に対するメペリジンの効果を評価した前向き研究に対するEditorial ・オピオイドはOddi括約筋の痙攣を引き起こす。本研究ではない別の研究上は、オピオイド静脈内投与後2分以内に見られ、6~10分後にピークを迎えた。 ・また、…
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