集中治療の勉強・雑感ブログ。ICU回診でネタになったこと、ネタにすることを中心に。コメントは組織の意見ではなく、自分の壁打ち用。

ACPの効果は定量化できなくてもいい

2022年4月17日  2023年5月12日 

【話題にしようと思う論文】

Curtis JR. Three Stories About the Value of Advance Care Planning. JAMA. 2021;326(21):2133-2134. 

【内容】

・ACPに関する3つの話を通して、ACPは定量化して証明されることはなくとも、悲しみからの回復、理解、平穏な感情を支えることができるという多様な方法の1つとしてあってもよいのではないか?と結んでいる

・1つ目の話:終末期の場で事前指示書が家族の癒やしになったという、Curtis先生の義母の話

・2つ目の話:事前指示書がなく、患者だったらどう思うか?という意思決定に苦労した、Curtis先生の実母の話

・3つ目の話:2021年3月に球状発症型筋萎縮性側索硬化症と診断された、Curtis先生自体の話

【コメント】

・全てCurtis先生自身の話。面識はないが、ALSで予後3〜4年と診断されたそうな。いずれCurtis先生のレビューなど見られないのかと思うと悲しい。

・言葉にし難いが、CureというよりCareの領域においてはエビデンスがなくても有用そうだ、と思ったことは積極的に行っていいんじゃないかと思う。”Patient careの場面で、DoingよりもBeingであることが有用なことはよくある”とBossもよく言っている。Beingの効果を定量化するのは、交絡も多く難しいのではなかろうか。


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