2022年6月12日
2023年5月13日
Curtis JR, Levy MM. Providing Compassionate Care in the ICU. Am J Respir Crit Care Med. 2022;205(9):990-991.
・ICUでの重症患者ケアのために、エビデンスを構築する努力と別に、お互い(自分、患者、家族、同僚など)を支援し教えあう能力を強化しなければならないと説いている。お互いを支援し教え合う能力のための5つの原則は以下の通り。
1.他人を思いやるには、自分に優しく、自分を信頼しなければならない
ICUにいないときにもセルフケアを実践する。臨床業務において思いやりを持ちながら、仕事の内外でセルフケアの時間を確保できることは、集中治療医として長続きするために不可欠なスキルである。セルフケアには、睡眠、運動、医学以外の興味を深めること、内省の時間などが含まれる。この重要な実践は、他の人の模範となり、ICUの文化の一部となるべきもの。
2.弱者になることをいとわない
効果的な共感には、患者や家族が経験した悲しみや悲劇に対して、自分自身が無防備になることを許すと同時に、自分には重要な仕事があることを認識することが必要。この無防備さによって共感は本物となる。
3.、悲しみや心の痛みに直面したとき、これらの強い感情を避けるのではなく、進んでその場に立ち、安定した態度をとる
患者さんが亡くなった後、部屋に入り、ご家族を慰めること、そして、悲しみに直面したとき、完全にその場にいてサポートすることは、実践を通してのみ学ぶことができるスキルである。この能力は、忍耐と個人的な不快感から回避行動に走らない意志を必要とする。
4.不確実性を受け入れる
ICUでは予後、病気の原因、死亡の時期などがしばしば不確実である。患者や家族から質問されても、不確実性に対する不快感から、回避的な行動をとってしまうことがある。
5.間違っても構わない
ICUの回診で間違いをいとわない姿勢を示すことで、ICUチームのメンバーは、尊敬と協力の念を持って、指導医やお互いに意見の相違を表明できるようになる。この「間違っていてもいい」という姿勢は、尊敬と協力に満ちた相互作用を通して、模範となり、学ぶことができる。
・自分と向き合い、意思をもって回避的行動を抑制するというのは苦行である…こういった行動を取れる誠実な人というのは医師学年に関係なく尊敬できる。自分自身、どうしても低きに流れる時もあるが、内省するためにも、しばしば読み返す必要がある短報。
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