2024年5月5日
2024年5月5日
ガイドラインには、”速度(VTI)を測定するときは、スペクトル記録の濃い外縁を使用する”とだけで、原理は記載されていない。
そこで、PWの基本原理を見ていく。
が、ここに記すには余白が狭すぎた。
参考になるのはこちら(特に39回)
結論だけ書くと、
1.いろいろな形のドップラー波形を送受信することで、速さを計算している
2.その瞬間、ドプラの幅で速度の最頻値が細い線として描出され、かつその線の中に濃淡がある
3.時間とともにその細い線が集まって、まるで外縁が一定の幅をもって滑らかな線のように見える画像を示す
ということだと理解した。
1.大動脈弁狭窄症はVTIを過大評価する:
大動脈弁を通過するために血流が加速するため。
VTIのピークが後方にずれる(1/2-2/3で重症ほど後ろにずれてくる)。
2.Sigmoid Septum(HCOM)で流出路狭窄があるとはVTIを過大評価する:
大動脈弁狭窄と同じ理屈で、血流が加速するため。
収縮期終了ギリギリにピークがある(Dagger sign)。
3.左室流出路がきれいに描出されていないと過小評価する:
VTIそのものが小さく描出されてしまうため。
4.流出カラーに対して、ドプラーを当てる角度が大きすぎると過小評価する:
ドプラー法の公式では、速度=(音速/2✕Cosθ[当てる角度])✕ドプラシフト周波数/ドプラ送信周波数となっているらしい。
式をみると、当てる角度が大きい→Cosθが大きい→速度が過小評価される、となる。
角度は20度以内ならば、得た値の誤差は6%以内であるので適正。60度を超えると信頼できない。
・見た目で、「これ微妙なVTIじゃない?」とか言っちゃってたが、言語化することを放置していた。残念ながら、基礎的原理はちょっとかじっただけでは到底理解しているとは言えない。が、実臨床では音波超二郎先生ばりに理解しておく必要はなさそうな気がする。高校は物理を選択しておくべきだったか…
・canonの放射線画像のシステムには日々苦悩させられているが(毎回画像をスクロールするとトップに自動的に飛ばされるのなんで?)、参考サイトはとても丁寧。
Sattin M, Burhani Z, Jaidka A, Millington SJ, Arntfield RT. Stroke Volume Determination by Echocardiography. Chest. 2022;161(6):1598-1605.
ー記事をシェアするー
登録:
コメントの投稿 (Atom)
コメント
コメントを投稿